解説 タイの神秘ハーフムーンオランダ

タイには他の国のオランダとは雰囲気が違う、独特なオランダの金魚が存在す。それは「タイオランダ」と呼ばれます。『ハーフムーンオランダ』は、その系統のオランダより誕生しました。

当社がタイのハーフムーンオランダと出会うまでの経緯ですが、始まりはお客様の声でした。2015年頃、来店されたお客様が「この変わった金魚を探して欲しい!」と海外の動画サイトに投稿されたものを私に見せてこられました。

 

そこには、蝶尾のような丸いヒレ先を持ち尾芯を上下に限界まで展開させ優雅に泳ぐオランダらしき金魚が映っていました。どうやらタイからアップされた動画のようでした。

筆者もこの動画の個体には興味を湧き立たせられ、当時、熱帯魚と金魚の輸入で付き合いがあったタイのシッパージョニー氏に捜索を依頼しました。ジョニー氏からは数日後、「this?」と金魚の画像が送られてきました。
いわゆる「タイオランダ」でした。タイではオランダだけでも様々なタイプのものが生産されています。
「タイオランダ」とはタイで生産されているオランダの一種のことを指します。
タイオランダは中国のオランダや日本のオランダとは少し違う雰囲気を持っていて、体は中寸体型で尾の先は丸くブロードテール的な丸みを帯びたオランダです。これタイ独特の形で、系統図などははっきりしておらずどのような進化を辿ってこの形になったかは正直わかっていません。タイオランダの存在はかねてより知っており、ひょっとしたら「タイオランダ」の画像を送ってくるのではと予想はしていましたが、画像の個体は追い求めているオランダとは尾型が違うため「No!」と突き返した。
その後もタイのシッパーから何度も画像を送ってもらったが、中々これ!という画像がこず、「this?」「No!」とやり取りが続きました。しかし、なかなか尾型のニュアンスが伝わりません。

どうすれば伝わるか試行錯誤し考え抜いたあげく、タイはベタ(熱帯魚)の世界1の生産国でその品種のひとつ「ハーフムーン」という品種があることに気付きました。この「ハーフムーン」は名前の通り、長いヒレを半月状に展開することができる品種で、追い求めているオランダの理想に近いしタイのシッパーにも伝わりやすい。これだ!と思い、
『”BETA Half Moon”I want the same fin type!』と連絡。
そして数日後….
『this?』『….Yes!』
動画で見た、ハーフムーンによく似たオランダの画像が届けられました。それは、理想にかなり近く、尾先が丸く尾芯が上下に半月状に展開するオランダでした。それはタイオランダの中から出現する特殊個体らしく、当時の個体数は少なかったようです。(現在では固定率が高くなり、品質もかなり向上しています。当社では国産化も実現しています)
この型のオランダを『ハーフムーンオランダ』と名付け、さっそく輸入に踏み切ります。

輸入初期の頃の個体は、正直、今現在当社が輸入しているハーフムーンオランダと比べれば品質の劣る個体だったが、手元に届いたときはとても嬉しかったのを覚えています。
初めて現物をみた感想は「なんか、すごい変わってる」という感じ。
数十匹輸入した中、美しいと思える個体は数匹であったが、「タイには必ずもっと美しいハーフムーンオランダが沢山いるはずだ!」と確信し、ハーフムーンオランダの輸入を何度も重ねた。ジョニー氏に、「Long tail please!」「Beautiful tail please!」と

2019年に、実際にタイ現地に赴きハーフムーンオランダをジョニー氏と共に選別しました。その際に、当社が欲しいハーフムーンオランダの特徴を事細かくジョニー氏に説明しています。現在では安定して高品質のハーフムーンオランダを輸入できるに至りました。
今後も更にタイへの渡航を重ね、ハーフムーンオランダの更なる品質向上に努めたいです。

 

現地でのセレクトの様子。

 

 

シッパー ジョニー氏が所有するトリートメント施設。
池から上げてきた個体はここでトリートメントした後日本に輸出される。

 

 

【現地渡航の様子 動画】クリックでリンクページに移動します 

 

当社発行のハーフムーンオランダの証明書。

 

【証明書の説明】 クリックでリンクページに移動します

 

 

 

 

以下、当社が輸入した個体たち。

 

  

 

   

様々なカラーバリエーションのハーフムーンオランダ。

 

 

 

以下、新しいタイプのハーフムーンオランダ

 

ハーフムーンオランダの尾型をベースに、尾にウェーブがかかるタイプです。

 

 

 

 
「ドラゴンアイ・ハーフムーン」出目タイプのハーフムーンオランダ

 

 

 

 

    

「ハーフムーンオランダ・クラウンテール」
名前の通り、ヒレ先が王冠のように刺々しく尖った特殊タイプ。

 

 

 

 

ハーフムーンオランダからの派生タイプ。
尾型はハーフムーンオランダと同じブロードテールだが、ハーフムーンオランダほど尾ビレは長くならずボディが少し長手で大型化するタイプです。

 

 

 


「ハーフムーンオランダ・プラカット」ハーフムーンオランダから出現する短尾タイプ。

 

 

 

 

 

長崎の宮本養魚場で生産を依頼している、国産ハーフムーンオランダ。

宮本養魚場